【第6報更新 21:25】共同報道文全文訳

南北首席代表は、午後8時からの終結会議を経て、午後9時頃、共同報道文を発表した。
全文の日本語訳は以下の記事で公開する。

【全訳】南北高位級(閣僚級)会談 共同報道文(2018年1月9日)
https://thekoreanpolitics.com/archives/684

【第5報更新 18:10】西海地区の軍通信線の復元

午後5時半現在、南北会談は共同発表文の草案についての意見を交換していると、統一部の白泰鉉(ペク・テヒョン)報道官が明かした。

本日2度にわたって行なわれた実務会談が、3回目に突入するのか、終了のための終結会議に向かうのかは未定とのこと。

ただ「意見差は大きくない」という。南北代表団の晩御飯について聞く記者には「予断はできないが、晩御飯まで食べるだろうか」と返した。

また、政府関係者は別途記者団に対し「西海(黄海)地区の軍の通信線が復元された」と説明した。本日、午前中に話合われたものだという。これは有線電話のことを指す。2016年1月の北朝鮮による第4次核実験を受け、同年2月、当時の朴槿恵(パク・クネ)政権が開城工業団地を閉鎖すると、それに反発した北朝鮮側が遮断した。

これにより、韓国軍側は午後2時に実際、西海地区の軍通信線の連結を確認したという。さらに「明日1月10日午前8時より、通信を正常稼働させる」と明かした。

さらに、午後6時頃、千海成統一部次官も短い会見を行い「南北が繰り返し共同して折衷を行っている」とした。「いつもそうであるように会談の行方は予断を許さない。私たちも予想できない」とした。

南北会談の大ベテランらしいコメントだ。

【第4報更新 14:40】千海成統一部次官の一問一答

先ほどの南北の基調発言に続き、今回の南北会談のスポークスマンを務める千海成(チョン・ヘソン)統一部次官の記者団向け会見の内容を紹介する。

1月9日、板門店の南側建物「平和の家」で約2年ぶりとなる南北会談を行う南北代表団。
1月9日、板門店の南側建物「平和の家」で約2年ぶりとなる南北会談を行う南北代表団。左側が韓国側。写真は統一部提供。

質疑応答形式で紹介する。

ー会談の全般的な雰囲気は
“南北関係が硬直し、凍結した状況が続いていたが、南北間が平昌五輪を契機に、関係を復元する良い契機としていこうという点に意見を同じくする、真摯で誠実な雰囲気だった”

ー(基調発言で)非核化ための対話を持ち出した時の北側の反応は
“南側の基調発言に含まれた内容について、北側が特別に言及をしたり、反応を見せなかった。傾聴する姿を見せた”

ー(南北離散家族再会行事のための)赤十字会談への反応は
“赤十字会談の必要性については十分に説明した。持続的に議論していかなければならない、そういった環境が必要だという点を説明した”
(北側の反応については言及なし)

ー午後の議題は、平昌と(緊張緩和のための)軍事会談、離散家族再会になるのか
“北側が平昌五輪、パラリンピック参加については肯定的な立場を表明した。関連する具体的な事案について議論することになる。代表団、応援団、選手団、芸術団、参観団を送る意向があるということだが、南側の準備状況などを議論する必要がある。(それ以外にも)また、互いの立場を表明したため、その部分について具体化する作業が必要だ。韓国側の立場について根気よく説明し、可能な範囲で合意を導き出す考えだ”

ー参観団とは何か。一般の観衆が来るということか
”北側は参観団と言った。我々はそう考えるが、具体的には午後に確認する”

ー北当局の代表団についてはの言及はなかったか
”代表団についての具体的な言及はない。高位級の代表団が来ると推測する程度だ”

ー金正恩委員長の別途メッセージがあったか
”これまでは無かった。ただ、平昌参加自体が金正恩委員長の決断と指示に依るものである点はご存知の通りだ”

ー共同報道文の草案について
”韓国側は基調発言の内容を中心に準備した。北側も同様だ。午後に意見を狭めていく。全般的には平昌と関連し、北側は積極的な立場を表明した”

ー会談はいつ終わるか
”予測できない。北側としても、自身の立場を反映させたい部分があるため、予断を許さない。肯定的な会談だとしても遅延し、徹夜したこともある”

ー軍事的緊張緩和に関連し、北側の要求があったか
”具体的には明かせない”

ー開城工業団地への北側の言及は?
”明示的なものは無かった”

午後2時14分、北側代表の李善権委員長はMDL(軍事境界線)を越えて再度北側に戻った。
午後2時30分から、会談は双方の首席代表を除いた4:4で再開された。

【第3報更新 13:50】南北の基調発言要旨

南北の基調発言を紹介する。北朝鮮の核問題に対する言及があった。

統一部の発表によると、冒頭発言に続き、全体会議が午前11時5分まで行なわれた。その後、11時30分から12時20分まで、首席代表の接触(会談)があった。

その後、12時40分より、韓国側代表団の一人である千海成(チョン・ヘソン)統一部次官が記者団向けに記者会見を行い、会談の状況を説明した。

内容の核心は、冒頭発言に続きあった「基調発言」にある。非公開のこの内容の中で、韓国側は北朝鮮の核問題に言及した。以下は千次官が説明した南側の基調発言の要旨。

南側基調発言
「基調発言を通じ、北側が平昌オリンピックとパラリンピックにできるだけ多くの代表団の派遣を希望するという部分を伝え、共同入場、共同応援団、芸術団など関連問題に対する立場を伝えた。また、2月の民族の祝日である正月(旧正月)を契機に、南北離散家族再会行事を行うための赤十字会談を提議した。これと共に、南北間の偶発的な衝突を防止するための軍事当局会談の開催も北側に提議した。さらに、南北相互尊重の土台の上で、協力しながら、朝鮮半島で相互緊張を高める行為を中断し,早期に朝鮮半島の非核化など平和定着のための諸般の問題を議論するための対話を再開する必要があるとの立場も合わせて表明した」

これに続く北側の基調発言要旨は以下の通り。やはり韓国代表団の千統一部次官が語った。

北側基調発言
「今回の会談を結実ある対話にし、南北間で画期的な転換をもたらす契機としたい立場と意志が確固としているという点を明かした。さらに平昌冬季五輪参加問題と関連しては、北側は高位級代表団と民族オリンピック委員会代表団、選手団、芸術団、参観団、テコンドー師範団、記者団などを派遣したいという立場を明かした。ついで、北側は朝鮮半島の平和的な環境を保障し、民族的な和解と団結を推進し、南北間に提議される全ての問題を南北間の対話と交渉を通じ解いていこうと話した」

次に千次官は、「双方は議論をより円滑にすすめようという次元で、全体会議の終わりの部分で、双方が考える共同報道文の草稿を交換した。その後、双方の提案をより具体化させ検討しようと合意し、全体会議を終えた」と語った。

基調発言で北朝鮮の核問題に対し、韓国側が言及したのは「意外」であった。これに対し、北側は特段の反応を見せなかったという。

【第2報更新 11:40】南北の冒頭発言全文

双方の冒頭発言を紹介する。

南北会談の南北代表
握手する南北代表。李善権(リ・ソングォン、左)祖国平和統一委員会委員長と、趙明均(チョ・ミョンギュン、右)統一部長官。写真はYTNニュースをキャプチャしたもの。

北側首席代表・李善権
「今冬はいつになく雪もがたくさん降り、そうかと思えば強い寒さが持続的に続くのが特徴のように思える。あらゆる山河が凍りついた。しかし、自然の天気よりも、南北関係がもっと凍っていると言っても過言ではない。ただ、自然が寒かろうが、北南対話と関係改善を臨む民心の熱望は、例えるならば、暑く張った氷の下に、より強く流れる水のように、凍りもせず、休みもせず、また、その強烈さによって北南高位級会談という貴重な場所ができたと考える。

南側に来ながら、趙明均長官になんと声をかけようか考えていた。今年の正月にあった出来事を紹介したい。私が好きな甥に正月に会ったのだが、今年は大学に行くだという。『もう大学に行くのか』と。その甥が2000年6月に生まれた。もう18年経ったのか。山河も変わるという10年がもう2回も過ぎたから、いかに長い時間が経ったか。振り返ってみれば。6.15の時代にすべてが貴重でなつかしい。考えてみればとてももったいない時間だった。

そうした例から民心と大勢が出会う時、それは天の心だという。この「天心」をうけとめ、南北の高位級会談が開催された。そして私たち北南の当局が真摯な立場と誠実な姿勢で、今回の会談をよく行い、大きな期待をかけているすべての同胞に新年初めての贈り物、その価値のある結果物を送ってはどうかという考えを持って、この場に来た」

南側首席代表・趙明均
「私たち南側も、昨年、民心がどんなに強い力を持っているのか、直接経験した。わが民心は南北関係が和解と平和へと進んでいかなければならないという強い熱望を持っているということを、私たちはよく知っている。民心が天心でああり、その民心に応える方向で会談に対し真摯に、誠実に臨んでいかなければならないと考える。

私たちが今日議論する重要な議題のうち一つが、平昌冬季オリンピック、パラリンピックに北側代表団が参加する問題だ。冬季五輪は夏季五輪よりも天気がとても重要だ。

おっしゃる通り、今回の冬は寒く、雪も多く降って、冬季五輪を行うには良い条件となった。多くの国から貴重なお客様が来るのに、特別にわが北側からも代表団という貴重なお客様が来るというので、平昌冬季五輪、パラリンピックが平和の祝祭として、しっかりと行われるだろうと、私たちが期待をしている。

そして、北側にもそのようなことわざがあると思うが、私たちに「始まりが半分だ」ということわざがある。

長い南北関係の断絶の中で、会談が始まったが、本当にはじめの一歩が半分だという気持ちで、意志と根気を持って会談を導いていければ良いと考える。同時に相反することでもあるが、はじめの一杯の酒で、はじめの一口でお腹が一杯になるはずがない、という話もしておきたい。

そういった点も折込み、急ぎすぎず、根気を持ってひとつひとつ解いて行ければいいと思っている。そうした立場から今日、初めての南北会談で、先程おっしゃった民心に呼応する良い贈り物を私たちが作っていけるよう、努力していきたい」

これに対し、北側の李代表は以下のように答えた。

李善権
「一人でいくよりも、二人で行く方が長続きすると言う。心があるところには、体もある決まりだ。こうした側面から見る時、長官先生が平昌五輪から話し、幼年期にスケートにをしていたということを聞いた(韓国側一同笑う)。今年のはじめから、スケートに乗ったようなものだから、良いことだと思う。

例を挙げると、その童心ほど純粋できれいで、不潔でないものはない。その時のその気持ちを呼び起こすならば、今日の会談は純粋になり、私たちの気持ちが団結してうまくいくと思う。

会談の形式は問題だ。ここで今日、この会談を見守る内外の耳目が強く、期待も大きいため、私たちでは会談を公開し、実況がすべての民族に伝わってはどうかという思いだ。記者たちも関心が高く、多く来たようだが、完全に公開してはどうか」

これに対し、南側の趙長官はこう答えた。

趙明均
「会談の公開に関しては、おっしゃる内容は大いに一理ある。私もそうした共感をするが、しかし私たちがせっかく会って、する話が多いため、一応慣例通り、会談を非公開で進め、必要な場合には途中で記者たちと共に公開会議を行う点が、会談を順調に行う助けになるのではと考える」

さらに李代表はこう答える。

李善権
「明らかな点は、民心が大きいほど、私たちの会談を透明性を持って、北側がどれほど真摯に努力しているのかを見せることが良いという点だ。特に当局がすることには、意味が無ければならない。その意味が結局は民心に呼応するものだと考える。こうした側面から、公開したらよいが、そちら側の見解を受け入れ、非公開にし、必要ならば記者を呼び会談の状況を知らせることにししよう。

趙長官は「分かった」と答えた。

【第1報更新 10:50】南北会談開始前

1月9日、約2年ぶりとなる南北会談が行われる。詳細を随時更新する。

韓国側の状況室が置かれたソウル市内の「南北会談本部」には内外の記者250人が詰めかけた。注目の高さを物語る。

韓国側の代表、趙明均統一部長官
出発前にカメラの前に立つ、韓国側の代表、趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官。

韓国側の代表団は午前7時半に南北会談本部を出発。約1時間後の午前8時42分に板門店に到着した。

首席代表を務める趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官は「板門店に久しぶりに来た感想を」と聞く記者に「しっかりと準備して臨みます」と答えた。

一方、北朝鮮側代表団は、9時29分に北側の建物「板門閣」を出て、徒歩で軍事境界線(MDL)越え、韓国に「入国」した。

以前も、南北会談に参加したことある北側代表の李善権(リ・ソングォン)祖国平和統一委員会委員長は、やはり「久しぶりに板門店を訪ねた感想」を聞く記者に「北南双方が誠実な姿勢で会談を真摯に行おうということだ」と答えた。

さらに「会談はどうなるか」との質問には「うまくいくだろう」と答えた。

南北の代表団5人ずつは「平和の家」一階のロビーで会った。

南側の趙代表は「歓迎します、新年明けましておめでとうございます」と挨拶をかけ、北側の李代表は「おめでとうございます」と返した。

そして、9日午前10時。「平和の家」で、2015年12月以来、約2年ぶりとなる南北会談が始まった。

南北会談本部
ソウル市内にある統一部の南北会談本部。青瓦台(大統領府)と共に会談のコントロールタワーを担う。

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