今年5月の文在寅政権発足以来はじめて、南北の閣僚が接触を持った。公式的な会談ではなく、短い会話に過ぎなかったが、両外相の会話からは南北間の見解差いがくっきりと浮かび上がった。(ソウル=徐台教)

キーワードは「誠意」

8月6日からフィリピン・マニラで開催されているASEAN地域フォーラム(ARF)に参加中の韓国・康京和(カン・ギョンファ)外交部長官と、北朝鮮・李容浩(リ・ヨンホ)外相は6日夕方、現地のレセプション会場で短い会話を交わした。

ASEAN地域フォーラム(ARF)写真
フィリピン・マニラで開催中のASEAN地域フォーラム(ARF)。ASEAN10か国をはじめ、日米韓、北朝鮮など27か国が参加している。北朝鮮が唯一参加する多者協議体としても知られる。写真は現地の様子。韓国外交部HPより引用。

7日、韓国外交部関係者が明かしたところによると、康長官は李外相と握手を交わし韓国新政府の「ベルリン構想」ならびに後続措置として行った北朝鮮に対する提案に対し、北側がこれまで何ら呼応していない点を指摘すると共に「早期の反応を期待する」と伝えたという。

ここでの「提案」とは、7月27日を期日としていた南北軍事当局会談と、8月1日を期日としていた南北赤十字会談を指す。前者では軍事境界線上での敵対行為を中止するために、後者は離散家族再会行事など人道的な懸案解決のために開催しようと、7月17日、韓国政府が正式に提案していた。

康長官のこうした発言に対し、李外相はしばらく逡巡したのち「南側が米国と強調し、北朝鮮に対する圧迫を展開している状況で、そのような北朝鮮への提案には誠意が感じられない」という反応を見せたという。

この返事を受けた康長官は「韓国政府の提案に込めた誠意を強調し、再度北朝鮮側の反応を求めた」と、前出の外交部関係者は語った。

北は米韓の政策基調転換が狙い 中国は南北接触を「評価」

李外相が語った「誠意」とは、韓国が米国に対し「制裁を弱め対話に乗り出すよう説得する」ことを示すものと見られる。

北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相
北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相。外交官として約40年のキャリアを持つ。北朝鮮メディア「わが民族同士」より引用。

だが、米韓の現在の北朝鮮政策は「共に最大現の圧迫(制裁)を行い、北朝鮮を対話の場に引きずり出す」というもので、北朝鮮側が求める「誠意」とは正反対となる。

一方、中国の王毅外交部長は、南北外相の接触について「両者の接触は良いことだ」と評し、「南北の対話を指示し、南北の交流を回復し対話することは、疎通の一つの通路となる」との見解を示した。韓国の聯合ニュースが7日、中国中央テレビ(CCTV)を引用して報じた。

残るARF期間中に、正式な南北外相会談が行われる見通しはまだ立っていない。韓国政府の外交努力が続いているものと見られる。



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