G20(主要20か国)サミット開催期間中のドイツ・ハンブルクで、 ロシアのウラジミール・プーチン大統領と韓国の文在寅大統領による露韓首脳会談が行われた。会談を通じ両首脳はお互いが重要なパートナーであることを再確認し、ロシア極東地域での経済交流拡大を約束した。また、北朝鮮の核問題に対する韓国政府の努力を支持し、両国間の協力を強化することにした。(ソウル=徐台教)

プーチン大統領と文在寅大統領
握手を交わす両首脳。今年5月の文大統領の当選時にプーチン大統領がお祝いの電話をかけて以来の接触となった。写真は青瓦台提供。

今年9月の「第三次東方経済フォーラム」に文在寅大統領が参加表明

首脳会談は現地時間7月7日午後に、ハンブルク市内で行われた。

当初の予定30分を超え50分間行われた会談には、ロシア側からはプーチン大統領の他にセルゲイ・ラブロフ外相、マクシム・オレシキン経済開発相、イーゴリ・セチン国有石油会社ロスネフチ会長などが、韓国側は文大統領の他に、金東兗(キム・ドンヨン)経済副総理、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官、南官杓(ナム・グァンピョ)国家安全保障室第二次長などが参加した。

この日のホストを務めたのはプーチン大統領。首脳会談のかたわら、今年9月にウラジオストクで開催される「第三次東方経済フォーラム」へと文在寅大統領を正式に招待するためだった。

極東地域の開発をテーマに2015年以降、ウラジオストクで毎年開催されている同フォーラムには、昨年、朴槿恵(パク・クネ)大統領が参加し、プーチン大統領と首脳会談を行っている。

露韓首脳会談
露韓首脳会談の様子。左から二人目の女性が、韓国の康京和外交部長官。写真は青瓦台提供。

プーチン大統領はこの日の冒頭発言で「就任後に発表した公約に多くの注意を傾けている」と明かし、「ロシアをはじめ北朝鮮を含む関連国家と対話する準備ができているようだ」と関心を示した。

その上で現在回復基調にある両国の貿易について触れる一方、「最も緊急の問題として朝鮮半島の核問題」があり、「この問題を解決するのに能力を発揮するべきで、実質的で詳細なアプローチがいる」と見解を述べた。

対する文大統領は「第三次東方経済フォーラム」への参加を快諾し、「プーチン大統領と深い対話を望む」と返した。また、「できるだけ早い時期に」韓国への訪問を要請した。

続いて「韓国とロシアが戦略的協力同伴者関係をもう少し増大させたい」とし、極東地域の経済開発問題に興味を示した。そして「北朝鮮の核とミサイルによる挑発は南北間だけでなく、東北アジア全体の平和にも重大な脅威になっている」との見方を示した。



極東地域の経済協力を軸に

会談の中で、文在寅大統領はロシアについて「朝鮮半島と国境を接しているロシアは、ユーラシアの平和と繁栄のための最適のパートナー」と位置づけた。

プーチン大統領も「韓国は重要なパートナー」と語り「多角的な協力を基に互恵的協力関係をより拡大していく」ことを表明した。

両首脳はさらに、極東地域の開発、北極航路の共同開拓、エネルギー、ガス、脱原発といった未来の成長動力を拡大するための協力をより一層強めていく必要性を認め、ロシア主導の経済連合「ユーラシア経済連合」との自由貿易協定(FTA)の締結に向け努力していくことにした。

同連合は2015年1月に発足し、現在はロシア、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギスが加盟している。16年9月にはベトナムとの間にFTAが発効し、中国とも結びつきを強めるなど、拡大を進めている。

露韓首脳会談
会談を行う両首脳。写真は青瓦台提供。

「韓国政府の交渉努力を支持」

北朝鮮について文在寅大統領は「制裁と対話などあらゆる手段を活用する果敢で根源的なアプローチで、北朝鮮の非核化を進めていく」という韓国政府の立場を伝えた。

米国、中国、日本、ロシアは韓国で俗に「四強」と称される。外交日程上、最後に残ったロシアに対し、韓国の北朝鮮政策への共感を求めた格好だ。

対するプーチン大統領はロシアの「北朝鮮の核を容認しないロシアの確固とした立場」を再確認した上で、「北朝鮮を非核化の交渉テーブルに復帰させるための韓国政府の努力を支持する」と応えた。また「関連する両国間の協力を強化していく」よう呼びかけた。

総評:ロシアとの結びつきを強化できるか

別途まとめるが、6月末から続いた一連の文在寅大統領の外交は「四強」に対し、「対話と制裁」という北朝鮮政策の基調を伝え、程度の差こそあれ「支持」や「理解」を得た点で韓国内では評価されている。

だが、どうしてもロシアとの結びつきは弱いことは否めない。一方、ロシアは最近になってとみに、北朝鮮との経済的な関係を強化していると見られている。さらに、中国と共同で北朝鮮の核開発凍結の代わりに米韓軍事演習の中止を求めるなど、韓国にとって一筋縄ではいかない相手だ。

文在寅大統領としては今後、比較的容易な経済協力を押し出し、ロシアとの関係を深めていくことになるだろう。9月の訪露の際に、より進んだ首脳会談が行われることを期待したい。



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