5月10日の就任から十日あまりが経った文在寅大統領(64)に、韓国の市民は高い期待を抱いている。各種世論調査で8割を超す市民が、現在までの国政運営と今後5年間の見通しに肯定的な回答を寄せた。(ソウル=徐台教)

就任一週間の評価は良好

韓国の代表的な世論調査会社の一つ「リアルメーター」社は22日、5月15日から19日にかけて行った定例調査結果を発表した。

今回の調査は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領就任後はじめて行われた「国政遂行評価」という点で注目されたが、「とても良い」「良い方」と肯定的な答を寄せた回答者は81.6%にのぼり、就任から一週間のあいだ、文大統領の施政に大多数の韓国市民が満足していることが分かった。

REALMETER社5月22日調査結果
REALMETER社が22日に発表した調査結果によると「とても良い」と「良い方」を合わせた回答者は81.6%となる。本紙作成。

特に20代(84.7%)、30代(87.7%)、40代(88.7%)での評価が高かった。とはいえ、50代(78.9%)と60代(70.7%)も高水準を維持している。地域別には、光州/全羅道が94.5%で最も高く、仁川/京畿(84.0%)、ソウル(81.9%)と続いた。保守層の支持が比較的厚い大邱/慶尚北道では72.8%だった。

なお、前任の朴槿恵大統領は同様の調査(2013年3月)で54.8%、その前の李明博大統領は(2008年3月)は76.0%であった。文在寅大統領への評価は高く、まずは順風満帆な船出と見なしてもよさそうだ。




今後5年間の見通しも同様に8割超が肯定的

また、やはり代表的な世論調査機関の「韓国ギャラップ」社は5月16日から18日にかけて「デイリーオピニオン」という定例世論調査を行った。

その中の「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が今後5年間、大統領として職務を良く遂行すると見ますか?もしくはうまく遂行できないと思いますか?」という質問に対し、87%の回答者が「良くやるだろう」と答えた。一方、「良くできないだろう」と答えた回答者は7%だった。

韓国ギャラップ社2017年5月19日調査結果
(クリックで拡大)韓国ギャラップ社が5月19日に発表した、文在寅政権の今後の見通しについての世論調査。全国的に高い水準にある。なお、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が今後5年間、大統領として職務を良く遂行すると見ますか?もしくはうまく遂行できないと思いますか?」という質問に答えなかった回答者には「あえて言うならば『うまくやるか』『うまくやれないか』どちらですか?」という質問が続いた。本紙作成。

(答えない場合には「あえて言うならば『うまくやるか』『うまくやれないか』どちらですか?」という質問が続いた。)

年代別には「良くできる」と答えた層が、30~40代では90%以上にのぼる一方、60代以上では79%と最も低かった。

さらに支持政党別にみると、文大統領が所属する共に民主党支持者の98%が「良くできる」と答えた。前与党の自由韓国党(旧・セヌリ党)の支持者は55%が肯定的に見通すにとどまった。

一方、地域別には回答サンプルが50以下の江原道(カンウォンド)と済州(チェジュ)特別自治道を除く全地域で85%を超える高い数値を示した。

また、新大統領に望む点としては、「初心を忘れずに初志貫徹」が11%と最も高かった。ほかに「経済の安定および活性化」が9%、「福祉や庶民政策の拡大」が7%、「改革、積弊清算、不正腐敗の撤廃」が6%、「公正、正義、常識の通じる社会」が6%と続いた。




今週からの人事聴聞会が本番か

文在寅大統領は5月10日の就任以降、これまでの常識を打ち破る青瓦台(大統領府)や政府高官人事を発表してきた。その人選からは、国政や経済改革への強い意気込みが感じられ、昨年来「ろうそくデモ」を支持してきた多数の市民にとって満足するものに写っている。

文在寅大統領5.18光州式典
2017年5月18日に光州市で行われた「5.18民主化運動37周年記念式典」で、政府高官や各政党代表たちと手をつなぎ、「イム(あなた)のために行進曲」を合唱する文在寅大統領(左から4番目)。この日の演説は韓国の国民に感動を呼んだ。青瓦台HPより引用。

また、参謀陣と食事やコーヒーを楽しむ姿を公開し、重要な人事発表は自身で行うなど、国民との意思疎通を積極的に行う姿が好感を呼んでいる。

懸念された北朝鮮との安全保障問題も、14日のミサイル実験の際に過不足無い対応を見せたことで、ひと通りの「実力」を示した格好だ。

韓国メディアが「ハネムーン期間」という表現を多用するように、これまで見てきた文大統領の人気が今後も続くかは未知数だ。

24日、25日に予定されている李洛淵(イ・ナギョン)国務総理の人事聴聞会が、安定した国政運営の実現可能性を測る第一の関門となる。




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